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GBJ EYE -vol.8- Retail/宝飾品

レポート

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DATE
2019年05月17日

日本における業界動向

宝飾品業界は、複雑な流通経路を持つことが特徴であり、多くの卸売業者を介在するため、消費者が購入する末端価格が高額になりやすい。近年では、大手事業者が仕入/養殖から販売(小売)までを一貫して行う製造小売(SPA)の形態をとり、安価な商品の提供が可能となっている。さらに、EC通販が拡大しており、流通経路短縮化の動きが起こっている。宝飾品は他の消費財に比べて、取引価格に明確な相場があることを背景に、参入障壁が比較的に低く、卸売業者や小売業者には数多くのプレイヤーが存在し、市場の寡占度も低い。アパレルなど異業種からの参入もあり、商品力のない零細企業は淘汰される状況となっている。
なお、宝飾品事業者は輸入の原材料を使用する「宝石・貴金属」と、販売企業が自ら養殖している「真珠」に大別され、必要な投資や技術が大きく異なる。

矢野経済研究所の調査によると、2018年の国内宝飾品小売市場規模は、前年より+1.0%の9,567億円と、引き続き微増ながらもプラス成長を維持した。1990年代には2兆円を超える規模があったが、消費者の低価格志向やブライダル市場における婚姻件数・リング取得率の低下により、縮小の一途を辿った。近年、インバウンド(訪日外国人客)需要が好調であり、国内市場の下支えとなっているが、その利得は一部のプレイヤーに限られる。

 

貸し手にとって重要となる留意事項

  • 宝飾品は、複雑な流通経路を背景に、流通経路における対象企業のポジションにより担保対象物の簿価と売価が大きく異なる。また、小売業者の場合、既存事業・顧客の状況により担保価値(換価額)が左右される。
  • 宝飾品は、その原材料の性格により、BtoB・BtoCにおいて頻繁に取引されているため、換金性が極めて高い商材である。加えて、商品サイズが小さく、持ち運びが容易であることから、盗難や紛失等が発生するリスクが高い。
  • 換金性の高さにより、有事の際に貸し手が、担保対象物の減少を察知する前に、同担保対象物の大部分が販売されるリスクが高く、適切なモニタリングが求められる。取り組み時に、担保対象物の管理方法や、在庫データの正確性に関する懸念事項を是正させることが重要となる。
  • 上記を踏まえて、価値の算定及び担保の管理には、GBJのような宝飾品を鑑定できる業者への依頼が望ましい。

 

換価時における留意事項

  • 換価額最大化の観点から、小売業者は販売店舗を活用した店頭換価が有効である。宝飾品は比較的高額商品であるため、知識豊富な販売員を確保(継続雇用)できるかが換価額を大きく左右する。また、販売員個人に紐づくエンドユーザーが高い確率で担保対象物を購入することが経験上確認できている。
  • 店舗換価の際に、継続的に集客できることが換価額の最大化に貢献する。換価が進行するにつれ、店頭商品における滞留在庫の構成比が上昇するため、GBJは自ら調達した商品を適切なタイミングで投入し、集客力の維持を図る。
  • 一方で、卸売業者については、GBJが自らの販路で店頭換価を実施しながら、担保対象物の構成により、相対ないし入札方式にて業者への換価を行う。